リョゴヨのラッキースケベ回
ラッキースケベ回です!
予期せぬ接触(リョゴヨ)
――四天王の間の廊下は、いつも静かだ。
夜になると特に人の気配がなくなり、歩く足音すら響くほどになる。リョウはそんな夜の静けさの中、自室へと戻る途中だった。バトルの後で体は少し疲れていたが、心地よい疲労感だった。
「ん?」
角を曲がったところで、前方に誰かの姿が見えた。赤いスーツに黒いシャツ。控えめな灯りに照らされた淡い竜胆色の髪。
「ゴヨウさん?」
声をかけると、ゴヨウがゆっくりと振り向いた。
「リョウさん。お疲れさまです」
「ゴヨウさんも……こんな時間にどうしたんですか?」
「歩きながら、少し考え事をしていました」
ゴヨウは相変わらず落ち着いた口調でそう言うと、静かに微笑んだ。その余裕のある雰囲気に、リョウは少し緊張する。四天王になってそれなりに時間は経つが、彼の独特な雰囲気には未だに慣れない。
「リョウさんは?」
「ボクは、部屋に戻る途中です」
「そうですか。それなら、ご一緒しましょうか」
「はい!」
並んで歩き出したのはいいが、こうして二人きりで話す機会はそう多くない。沈黙が落ちるのも気まずくて、リョウは何か話題を探した。
「ゴヨウさんって、普段から夜更かしするんですか?」
「そうですね……読書をしていると、つい遅くなってしまいます」
「へえ、何を読んでるんですか?」
「最近はミステリーを。伏線が巧妙に張られているものが好みですね」
「なるほど……あっ!」
話に夢中になっていたせいで、リョウは足を滑らせた。床の光沢に気を取られた瞬間、体のバランスが崩れる。
「リョウさん?」
ゴヨウが振り向いた、その時――リョウは避ける間もなくゴヨウの体にぶつかり、そのまま勢いよく倒れ込んだ。
ドサッ――!
「……っ!」
「リョウさん……?」
目を開けると、そこには驚いた顔のゴヨウ。リョウは彼の体に覆い被さり、ゴヨウを押し倒していた。
「わっ、ご、ごめんなさい!」
慌ててどけようとするが、体勢が悪くて動けない。ゴヨウのスーツの生地越しに感じる体温が、余計に焦りを増長させた。
「……大丈夫ですか?」
ふと下敷きになっているゴヨウを見やると、彼のカラーレンズ越しの瞳がこちらをじっと見つめていた。
「え、えっと……すぐどきます!」
必死で体を起こそうとするが、バランスを崩して再びゴヨウの上に倒れ込んでしまう。今度は顔が近い。あと少しで鼻が触れそうな距離だった。
「……リョウさん」
「わわっ!すみません!」
リョウの顔が熱くなっていく。ゴヨウの体温が妙に伝わってきて、意識すればするほどどうしようもなく恥ずかしくなった。
突然、ゴヨウが微かに笑った。
「慌てなくても、大丈夫ですよ」
ゴヨウはどこか楽しげに目を細めた。落ち着いた声のはずなのに、なぜか妙に色っぽく聞こえてしまう。リョウはなんとか距離を取ろうとするが、動けば動くほど変な体勢になってしまう。
「リョウさん」
「は、はい?」
「このままでは、誰かに見られたら誤解されそうですね」
「……っ!」
ようやくその可能性に気付き、リョウは慌てて飛び退いた。心臓が早鐘のように鳴っている。
「……お前ら、こんな所で何やってんだ?」
不意に背後から別の声が響いた。振り向くと、そこには腕を組んでニヤニヤしながらこちらを見下ろすオーバの姿があった。
「オーバさん! これは、その……!」
「ふぅん?」
オーバは意味ありげにゴヨウとリョウを交互に見て、ニヤリと口角を上げた。
「……ま、場所くらいは選べよな?」
「だ、だから、違いますから!」
リョウの慌てた声を背に、ゴヨウは静かに微笑んだまま、何も言わずに歩き出した。
「……?」
その横顔は、どこか楽しそうに見えた――。
こういうハプニングはいくらでも見たいんだぜーー!!