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ゴヨウさんを語る趣味ブログ / 初めての方は「ABOUT」からどうぞ!

リョゴヨ短編②

※GPT先生作/かなり編集
ちょっと前にweb拍手に置いてたものその②です。
リョゴヨあーん回




『甘いのは、パフェだけじゃなくて』 
街角のカフェ、窓際のボックス席に、リョウとゴヨウは向かい合って座っていた。
午後の陽射しが、ガラス窓をあたたかく照らしている。


リョウが選んだのは、苺がたっぷりのった季節限定のパフェ。
嬉しそうに一口食べると、リョウはあまりの美味しさに目を細めた。
対面に座るゴヨウは、コーヒーを片手に静かに本を読んでいたが、ふと視線を上げる。

「……美味しそうですね」

その言葉にリョウはにやりと笑った。

「じゃあ、ゴヨウさんも食べてみる?」

リョウはスプーンを手に取り、ひとさじすくうと、悪戯っぽくゴヨウに差し出した。

「はい、あーん」


「……リョウさん、公共の場でそういうことをするのは、ちょっと……」


「大丈夫、誰も見てないって。それとも、恥ずかしい?」

顔を伏せ気味にしながら、ゴヨウは小さく息をついた。

「……仕方ないですね」

恥じらいを浮かべながらも、ゴヨウはスプーンを口に含む。

冷たい甘さに、思わず目を細めた。

「おいしいです……」

「でしょ?もう一口、どうぞ」

リョウは笑いながら、再びひとさじ差し出す。
周囲の視線を気にしたゴヨウがやんわり断ると、少し不貞腐れたように、スプーンを自分の口に運ぶ。

それからリョウはまた何か思いついたように、くるくるとスプーンを回しながら、ちょっとだけイタズラっぽい声で言う。

「……ねえ、ゴヨウさん」


「はい?」


「ボクにも、食べさせて? 」

そう言って、リョウはパフェとスプーンをゴヨウに差し出し、身を乗り出すように顔を近づける。

ほんの少し口を開いて、じっと見つめるその瞳は、まるで猫のよう。

「……えっ……わ、わたしがですか?」


不意を突かれて、ゴヨウは少し口ごもる。

「ねぇ、お願い?」


リョウに甘えられることには慣れている——つもりだったが、こういう形でおねだりされるとやっぱり不意打ちだ。

「……わかりました」

照れたように微笑みながら、ゴヨウはそっとスプーンを取り、苺とクリームをすくう。

慎重に角度を調整して、リョウの口元へと差し出す。

「はい、あーん……」


「んー……ゴヨウさんの“あーん”は最高だなぁ……」


「…もう…からかわないでください」

「本気だよ。ゴヨウさんから食べさせてもらうと、倍おいしい気がする」

リョウがにこっと笑うと、ゴヨウの耳がほんのり赤くなる。

その照れた顔を見て、リョウはまた嬉しそうに笑った。

くすぐったいようなやり取りに、周囲の喧騒が遠く感じられた。
ふたりだけの甘いひととき——それは、パフェの苺よりも、もっと甘くてやさしい時間だった。

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