リョゴヨ短編③
※GPT先生作/かなり編集
ちょっと前にweb拍手に置いてたものその③です。
寝ちゃったゴヨウさん回
寝ちゃったゴヨウさん回
『手を伸ばせば届くのに』(リョゴヨ)
夜。 読書好きなゴヨウが、リビングのソファで分厚い本を膝にのせてページをめくっていた。
リョウは少し離れた場所からその様子を見ていたが、ページが進むごとにまばたきの回数が増え、頭がかくんとかすかに揺れ出すのを見逃さなかった。
(……寝るな、これ。ていうか、もう寝てるか)
しばらくしてページをめくる手も止まり、本は膝に置かれたまま。
「……ゴヨウさん、寝ちゃったの?」
リョウが小さく声を掛けるが、ゴヨウはソファに身を預け、静かに目を閉じていた。
その頬は淡く赤く、口元はかすかに緩んでいて、上着を脱いだシャツからは肌がちらりとのぞいている。
(……ちょっとだけ、イタズラしたくなるじゃん……)
リョウはソファの端に腰掛けて、そっとゴヨウの隣に身体を寄せてみる。
それでもゴヨウは目を覚まさない。
そっとゴヨウの眼鏡を外してテーブルに置くと、目元に指先を添える。
長い睫毛、薄く染まった頬、やわらかそうな唇。
(……キスくらいなら、してもバレない?)
心の中でそう問いながらも、リョウの手は止まった。
(……でも、もし起きたら……)
起きたゴヨウが、眠たげな目で「リョウさん……どうしたんですか……」と尋ねる顔が頭に浮かぶ。
きっと怒らない。困ったように笑って、優しくしてくれる。 でもそれがまた、リョウをくすぐったくさせる。
「……こんな無防備な姿、ボク以外に見せちゃだめだよ……?」
小さく囁いて、リョウはそっとゴヨウの髪に触れた。
なでるだけ。唇にも触れない。ただ、そこにいることを確かめるだけ。
「おやすみ、ゴヨウさん」
リョウはそっと立ち上がり、毛布を持ってくると、ゴヨウにかけてやる。
そしてもう一度、名残惜しそうにその寝顔を見つめて、電気を少しだけ落とした。
悪戯未遂。 けれど、その余韻だけで、胸がどきどきするのだった。
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