リョゴヨラッキースケベ回③
ひとまずこれで終わりです!
想定外の衝撃(リョゴヨ)
「……こんな時間に、リョウさんが来るとは思いませんでした」
リーグの一角にある静かな図書室の前で、不意にかかった声にリョウはびくっと肩を揺らした。
「ゴ、ゴヨウさん……!」
夜の訓練を終えて控え室に戻ろうとしていたリョウは、まさかこんな所に人がいるとは思わず驚いた。振り向くと、ゴヨウが本棚の前に立っていた。
「遅くまでトレーニングですか?」
「えっと、まあ……そうですね。ボクの虫ポケモンたちと、もっと息を合わせたくて」
リョウは軽く息を整えながら、ゴヨウのそばへと歩み寄る。
「ゴヨウさんは?」
「わたしも少し調べものを……あ、」
ふとゴヨウの手元を見ると、彼は本棚の高い位置に手を伸ばしていた。しかし、その動きが妙にぎこちない。
「どうかしました?」
「……少し足元が不安定で」
そう言いかけた瞬間、リョウは異変に気付いた。
――ギシ……
高い位置の本を取るために、台に上がっていたゴヨウの足場が微かに軋む音。安定感のない台は、今にもバランスを崩していまいそうだった。
(まさか……!)
「ゴヨウさん、危ない――!」
叫ぶより早く、足場が崩れ、ゴヨウの体が宙を浮いた。倒れる――その前にリョウがとっさに手を伸ばした。
ドサッ!!
次の瞬間、ゴヨウは仰向けに倒れ、その上にリョウが覆いかぶさる形になっていた。
「……っ!!」
だが、そこで終わらなかった。
衝撃のあまり、リョウは咄嗟にゴヨウの服を強く掴み、ボタンが外れはだけさせてしまった。しかも、ゴヨウもまた転倒の衝撃でリョウに抱きつく形となり――
「……!」
リョウが声を上げる間もなく、重なった体勢のまま、そのまま勢いで唇がもう一度触れてしまった。
――キス、してしまった。
信じられない状況に、リョウの頭は完全に停止した。ゴヨウのレンズ越しの瞳が、驚いたようにこちらを見ている。
「……」
「……」
一瞬の沈黙。
――そして、さらに予期せぬことが起こった。
「………またか…お前ら」
不意に、向こうから聞き慣れた声が響いた。
「えっ」
リョウとゴヨウは、同時にそちらを向く。
そこには、ドアの前で目を見開いたオーバが立っていた。
――リョウがゴヨウの上にのしかかり、片手を押さえつけ、ゴヨウの着衣が乱れ、二人の顔が異常なほど近い状態。
状況最悪。
「……」
「……」
「……」
部屋に沈黙が落ちる。
「……って、いやいやいやいやいや、待て待て待て」
オーバが頭を抱えた。
「取り込み中のところ、邪魔したな……」
数秒経ってから何かを悟ると、オーバは静かに立ち去ろうとした。
「違うんです!!」
リョウが全力で否定するが、説得力がまるでない。
「そうですよ。これは事故です」
ゴヨウも珍しく少し動揺しながら言葉を紡ぐが、その体勢と唇の状況がまるで言い訳になっていない。
「……あのなぁ」
オーバは深くため息をついた。
「……事故だってんなら、とりあえず、二人ともその体勢やめろ。見てるこっちが色々混乱する」
「は、はい!!」
リョウは急いで体勢を整え、ゴヨウも静かに立ち上がり乱れた服を直す。しかし、まだ頬に熱が残っているのをリョウは自覚していた。
「夜の図書室で ‘事故’ ねぇ……」
オーバは頭をかきながらニヤリと笑う。
「本当に事故です!!」
必死に言い返すリョウをよそに、ゴヨウは静かに唇に触れながら微笑んだ。
「……本当に、予期せぬことでしたね」
「ゴヨウさん!? なんでそんなに楽しそうなんですか!?」
「ふふ……」
どこか楽しげな表情のゴヨウと、ニヤつくオーバ。そして真っ赤になったリョウ。
その夜、リョウはなかなか寝つけなかった――。
ドーン⭐︎
バゴーン
まさかのオーバの再登場wリョゴヨ世界線のオーバはオデンなので察しが良さそう…。
ということでラッキースケベ回は完です。ほんとにほんとにしょうもないこういうので付き合う前のリョゴヨに健全(?)なキスやハグをさせたかったのだった…!^ ^